ねこの肥満
「肥満」の定義
「肥満」とは、過剰な体脂肪の蓄積を原因とした、骨格や体が必要とする限界を超えた体重増加と定義します。
肥満の原因
カロリー摂取がカロリー消費を上回ると肥満になります。つまりネコが消費する量よりも多いエネルギーを取り入れていると、余ったエネルギーが体に蓄えられて肥満となります。
肥満になる要因
食事の与えすぎ | 運動不足 | 品種 | 甲状腺機能低下症 |
去勢・避妊手術 | 糖尿病 | 年齢と性別 | 副腎皮質機能亢進症 |
肥満したネコはあまり見栄えのよくないものです。
場所をふさぎ、動きがにぶく、自分でグルーミングすることもできません。
運動能力はめっきり落ち、皮フ病にもかかりやすくなります。
また、糖尿病にかかる危険性も増大しますし、外科手術や麻酔の際のリスクも高くなります。
動物は普通、必要以上のカロリーをとり続けると肥満になります。
食事の与えすぎや運動不足などが主な肥満の原因ですが、このほかには、妊娠、環境、体質、年齢、遺伝素質などの要因があげられます。
脂肪と炭水化物
うつ病のセルフヘルプ
ネコの基本的なエネルギー源は脂肪です。
太りぎみのネコがエネルギー源として脂肪を取りすぎていると、炭水化物をエネルギーにしている場合に比べて脂肪を蓄積しやすくなります。
太りぎみまたは肥満のネコには、低脂肪で炭水化物の多い食事を与えてください。
脂肪によるカロリー摂取を制限するためです。
線維質と脂肪酸
適度な発酵性をもつ線維質により適切な線維質の量を摂取すれば、腸の健康促進と維持に役立ちます。
体重を減らすためにはこれが非常に大切です。
一部の減量用フードでは線維質を増やすことでカロリー密度を下げています。
線維質が多いフードは消化率が下がり脂肪も含め、多くの栄養素が消化吸収しにくいかもしれません。
つまり栄養価が下げることで体重が減るのです。
この種の高線維質フードでは便の量が多くなり、皮フや毛づやの健康が損なわれます。
たとえば、ビタミン豊富なフィッシュオイルに存在するような必須脂肪酸を含んでいるフードは、脂肪摂取を減らしながらネコの皮フや毛づやの美しさを保ちます。
段階的な体重の減量
健康によい体重管理プログラムは、体重を徐々に減らすことが大切です。
ネコではこれがとくに大切です。
厳しい栄養摂取制限は、脂肪肝を招くことがあるからです。
"肥満と肥満"
ネコでは、1週間ごとに今の体重の1〜1.5%ずつ減らしていきます。
体重管理プログラムのひとつの方法は、まず、そのネコの現状維持に必要なカロリー摂取量から30%を減らします。
1週間に1%の体重が減少するようになるまで、さらに2〜3週間後にもう10%減らします。
それでも改善が見られないネコについては、獣医さんに相談して特別なプログラムを考えていただいてください。
ネコが太りぎみ、あるいは肥満の疑いが強い場合は、必ず獣医さんによる総合的な診断が必要になります。
なぜなら、その肥満の原因が単なる食べ過ぎや運動不足ではなく、健康上の理由によるものかもしれないからです。
減量・体重管理プログラムを始める前に、必ずこの点を見極めてください。
肥満は治すより防ぐほうが簡単です。
ただし肥満になっても取り返しがつかないということはありません。
長い時間辛抱できる強い意志があれば、元に戻すことは可能です。
運動量をふやし、習慣を改善し(あなたも、ネコも!)、カロリー制限をすることが、ネコの肥満に立ち向かう武器となるのです。
思春期の生理的側面におけるうつ病
まずネコの運動量を増やします。
手始めに、ネコが気軽によじ登れるキャットツリーを用意してください。
次に、ネコが走って追いかけることができるものを投げてやりましょう。
ある人は1粒ずつドライフードを投げる方法を工夫しましたが、そういう遊びもよいでしょう。
散歩に連れていくことも手でしょう。
ほとんどのネコはリードでの散歩に慣れれば、それを楽しむようになります。
いろいろと想像力を働かせてください。ただし注意が必要な場合もあります。
太ったネコを急激に運動させてくたびれさせたり体温を上げすぎたり息切れさせたりしないでください。
高齢のネコに激しい運動をさせてはいけないこともお忘れなく。
愛情の印におやつをあげるよりも、遊んだりグルーミングをしたり、なでたり、話しかけたりしましょう。
ヒトの食事中におねだりをするネコに抵抗できないようなら、その時間はネコを別の部屋に移しましょう。
家にネコが複数いる場合は、常に食事をめぐる競争が起こり、その戦いの勝者が肥満してしまうことがあります。
この場合はできれば食事時間にネコ同士を離すようにしましょう。
ネコはエネルギー源として第一に脂肪を使います。
生体が必要とする以上のエネルギー(カロリー)を摂取するネコは、その余分なエネルギーを脂肪の形で蓄積します。
太りぎみや肥満のネコは、摂取カロリーが炭水化物の形の場合よりも脂肪の形の場合の方が簡単に脂肪を蓄積します。
脂肪を消化の高い炭水化物で代替する食事は優れた低カロリー食です。
消化のよい炭水化物のカロリーは同量の脂肪の半分以下ですし、消化しにくい線維質も含んでいません。
こうしたフードの場合にも給与量のコントロールが必要ですが、普通のフードを与えているときほど厳しくする必要はないでしょう。
たとえ減量をしている時でも、ネコの食事に関しては通常の線維質量を守ることが大切です。
ネコの減量用をうたった高線維質フードは避けましょう。
高線維質フードは多くの栄養素の消化と吸収を妨げます。
それに加え、栄養的に質の劣る食事であるばかりか、排便回数や糞便量を増やし、皮フや被毛の状態を悪化させる恐れがあります。
ネコの減量プログラムは、まずカロリー摂取量を従来の摂取量の25%減らし、次に1週間につき1%の減量を達成できるようになるまで、2週間〜3週間ごとに10%までの量を減らしていきましょう。
あなたのネコが5kgである場合1%の減量とは約50gを意味します。
1日に1回、大量の食事を与えている場合や、食べ物をいつでも出している場合は、1日あたりの量を何回かに分けて(少なくとも1日2回)出すようにしてください。
食事を出して30分後には残りものをすべて片付けるようにしてください。
食事はゆっくりと切り替えるようにしましょう。
前のフードに新しいフードを混ぜ、その割合を1週間かけて徐々に増やしていきます。
この方法ならば新しいフードを無理なく好むようになり、消化器に問題が起こるというリスクも減らせます。
ネコの減量にはとりわけゆっくりしたプロセスが必要ですから、辛抱強く続けましょう。
摂取する食べ物を急激に減らすと、ネコが肝リピドーシス(脂肪肝)という深刻な肝臓の疾患にかかる危険性があります。
減量作戦はうまくいかなかったり停滞することもあります
。肥満したネコが15%の減量に成功するには少なくとも4か月かかります。
体重が増えてしまったり、停滞したりしたら、ネコの体の状態を調べなおし、そこから再出発しましょう。
体重管理プログラムを始める前に獣医さんの検診を受けます。
赤ちゃん用のはかりを使って2週間ごとにネコの体重測定を行います。
☆ 低脂肪、高炭水化物のフードで脂肪から摂取されるカロリーを制限します。
☆ おやつをあげるのをやめます。
☆ ネコの運動量を増やします。
☆ ネコに1粒ずつドライフードを投げて、遊びながら食事をさせてみましょう。
☆ 1日の食事を少量ずつ何回かにわけましょう。
☆ 1週間に元の体重の1%〜1.5%以上減量してはいけません。
☆ 辛抱強く着実にやりましょう!
参考・健康の基準
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